2023/09/25
今日は朝エレベーターで会って、その時に話しただけでした。
すれ違った時に何か特別な「おっ」もしくは「あっ」あるいは「おお」みたいなものがあって、たぶんお互いがお互いに感じていると思います。そのことをお互いがお互いに分かっていると分かっている。
でも何か、話せなくてもどかしくて面白いです。
2023/09/27
事務用品の注文先に電話を掛けたら折り返しますと言われました。
幾つかある番号のうち、普段は外線用の番号(私が鬼のように取る番号)を指定するのですが、最近電話をよく取る彼が継いでくれるかもしれないという淡い期待を抱いてしまって、事務所内共通の番号で大丈夫ですと答えていました。
こういう時に限って他の人が取るんだけどな!と思っていましたが、なんと、彼が取り継いでくれました。
彼に呼ばれてちょっと驚いて、私を呼ぶ時いっつもにやにやしてるなぁと思いながら受話器を上げました。
午後に先輩と話している時、ふっと斜め前の席の彼を見ると目薬をつけていました。
上を向いてやや眉を顰め気味で目頭を抑えるその仕草がもう物凄い色気で、思わず見惚れてしまいました。あれはやばい。
席替えで逆向きになってしまい、彼の姿を見ることはなかなか叶わなくなってしまいましたが、彼の声は聞きやすくなりました。
「あーそうですそうです(笑)」みたいな、下請けさんに愛想良く電話している声を聞いて、思わず振り向いてしまったりします。
2023/10/04
彼に対しての気持ちは、愛しい、というのが近いようです。
守るべき対象として、健やかに、幸せを感じていて欲しい。たまに、私に向けて笑ってくれればそれで良い。
独り占めしたい思いもあることは否定しないけれど、それよりも、慈しむような守るような、甘やかしたくて堪らないそんな感情が大半です。
2023/10/10
彼が、課長のところに来て、仕事の大変さを訴えていました。先週に引き続き2回目です。
うんざりします。他の派遣の人達が課長に印鑑を貰いに来ることが分かっててそこで話をする彼にも、彼だけを優先して他の派遣の人をないがしろにする課長にも。
自分の計画通りに仕事が回らないことに彼は苛ついているのです。それが仕事ってものです、他人と何とかやっていくしかないのです。
彼のそういうところ嫌いです。課長の、気に入らない社員には残業をしないだなんて陰口を叩いておいて、18時ぴったりに帰る彼の仕事の大変さを慮るところも。
明日は、彼に冷たくしてしまいそうです。
2023/10/12
頭が痛かったので、コピー機のところにいた彼に「Mさん頭痛いー?」と言ったらこくんと頷いていました。「薬はー?」と聞いたらそのまま近寄ってきたので薬をあげました。
課長も先輩もいなかったので、しばしお喋りを楽しみました。
2023/10/20
彼と喋りたいという欲求が、ここのところ全然ありません。
彼はそうではないようで話し掛けてくるのですが、以前はあんなに可愛かったはずなのに、はいはいってあしらってしまう自分がいます。
2023/10/23
コピー機が詰まりました、と彼が言いに来ました。
以前までだったらきっととても嬉しかったのに、はいはいって対応してはい終わり〜って余計に喋らず普通に流してしまいました。
悪い部分もちゃんと知っていたのに、今更になって、欠点ばかりに目が行くようになっている気がします。
良くないですね。
2023/10/30
私が異動することが朝礼で発表されて、その後、いつも通り廊下で消毒作業していたら彼が歩いてきて、「おはようございます」って言ったら、……「寂しくなります」って。
びっくりして、嬉しくて、言葉を聞き終える前にもう笑ってしまいました。
だから彼は、想像もしていないと思います。その後の私が、階段室でへたりこんでいたことなんて。
なんとなく、コピー機の前に立っている時とか給茶機のところですれ違った時とか、彼はショックを受けているなということが分かりました。私自身は全くそうでなかったのに。
退勤前に台帳に記入している時、私の方をちらっと見ていたのが可愛かったです。
2023/10/31
彼と会う最後の日でした。
仕事の引き継ぎで、二人でエレベーターに乗っている時、何か含むものがあるというか言いたそうな空気だなぁと思ったのですが、私もヘタレで、二人でいるのは嬉しいのに怖くて、関係ない話をしてしまっていました。彼も、私と喋る時間を好いてくれていたんだなぁと思うととても嬉しかったです。
……というか、エレベーターで立つ位置がおかしいのでは?何で二人きりなのに、入口近くにいる私のそばに立つんですかぁぁ?!ドキドキするでしょうがぁぁぁ!と心の中で叫んでいました。あいつおかしいぞ。
あと、サーキュレーターを倒してしまった時に受け止めた手が、触れたではなく重なったと表現したいほどで、ドキドキしてしまったことも内緒です。
辞める時は連絡してね、と言いました。分かりました、の言葉を彼は守ってくれるでしょうか。
ともあれ、もう、彼に会うこともないでしょう。
これからも思い出すたびに、とろける蜜のような甘さを口の中で転がすことになると思います。
思い出をありがとう。どうか元気でいてください。