妹の結婚式に行って、この感情は『悲しい』なんだと気付いたら、涙が出てきて電車の中で泣いてしまいました。
愛していた人を愛せなくなるのは、悲しい。信じていた人を信じられなくなるのは、悲しい。
私たちは喧嘩はするけれど仲が良くて、おやつは相手が帰って来てから一緒に食べるような子どもでした。
お互いを遊び相手にして、少ないものを分け合い、ないことを慰め合いながら子ども時代を過ごしました。
私は妹が可愛くて、あの子のためなら人だって殺せるくらい好きだったんです。
何か違うと思ったのは、お互いの就職1年目でした。（私が2年休学しているため、社会人歴は同じです。）
「頭が痛すぎて救急車を呼んだんだって」と母親から聞きました。何かあったら対応するのは近くにいる人なのに、私には何も言わないんだと思いました。
それからまもなく、あの子は命に関わる病気が発覚し、緊急手術と入院をしました。身の回りのものを届けたり世話をしたりしたのは私でした。
結婚することになった時、「彼が引くと思うから紹介するタイミングを迷ってる」と言われました。
まだ婚約者なら、何かあった時に対応するのは私なのにいいのかなと思いました。特に病気を持っているのに。
結局は、両親の半年後に会いました。
決定打となったのは、妹の発言でした。
最初は確か、母親と妹と通話中に友達とどこかに行ったというような話をしていた時、「お姉ちゃん友達いるの」と言われたことだったと思います。
次は同じく通話中に、今度は一人でどこかに行った話をした時、「友達いないの」と言われました。
今度言われたら、私はその場で通話なら切るし会っているなら帰ろうと思いました。
3回目は、妹の婚約者との両家顔合わせの食事会でした。高尾山に登ってきたという話をしていたら、「友達いないの？」と言われました。さすがにあの時は堪えました。
4回目は今年の1月で、法事で急に帰省が必要となった時、その打ち合わせの電話中でした。水族館に行く予定だったのにと漏らしたら、何も聞かずに「友達いないの」と言われました。さすがに怒って、いつもそういうこと言うよね、と返したら「私は一人では行けないからすごいなぁと思って」と言われました。そんな言い方じゃないよね、と言いました。ごめんね？と言われたので、思わずうんと返してしまったけれど、あれはもっとちゃんと怒っておいた方が良かったと後悔しています。
2年の間に、4回同じような発言をされ続けて、考えてみれば彼女が彼との交際が始まってから一人とか一人じゃないとかマウントが取られているんだなと気付いています。
入籍して引っ越しても住所を教えられませんでした。
1月に会った時に「住所教えられてないんだけど」と言ったら、「年末に家に遊びに誘ったじゃん」と言われました。
誘うのと住所を教えるのは違うと私は思うんです。結婚祝いも送れないじゃないですか。
結婚式の招待状で知りました。
結婚式も心から楽しみには出来なくて、そんな自分が嫌でした。
参加したら、着付けが終わって両親だけが呼ばれて、私は呼ばれずに他の親戚と一緒にドレスを見ることになりました。相手方は兄弟まで呼ばれたのに。
傷付いた心は、無理やり抑えました。
そのまま披露宴にも参加して、何だか心からは楽しめなくて、そんな自分が嫌でした。
そんなこんなも一晩寝たら一応は忘れていて、預かっていたものの受け渡しをするために翌朝妹と会いました。
そこで、ドレスアップが終わって私だけ呼ばれなかったのは会場側の手違いだったと謝られました。もう、思い出させないで欲しかった。
式場で、他でもない両親に「あんたの時には―」と言われたのも嫌でした。
心が尖るのも、心が磨り減るのも嫌でした。
楽しくなくて、楽しめない自分が本当に嫌になって、妹の手違いだったの言葉も信じられない自分が嫌いで、どうして妹を愛せなくなって関心すら持てなくなったんだろうと落ち込んで、私は「悲しい」んだなと思ったら泣けてきました。
アルコールに頼るしかなくて、お酒を買いました。
酔いたい。
何もかも忘れて、何にも傷付かなくなって、何のことも考えられなくなって、誰のことも愛さず、
死にたい。
この、陽の光の中でこのまま腐っていきたい。
でも、この気持ちだけは嘘じゃない。心から言える。
結婚おめでとう。
