コンサートのチケットを受け取りました。
東京国際フォーラム ホールA R11扉 2階25列70番。
2階?しかも25列?と思って調べたら、後ろから2列目……。
16,500円も払って?一階席と同じ?そう思ったら、行きたい気持ちやわくわくしていた気持ちが一気に色褪せました。
気分はなんとなく沈んだまま、迎えたコンサート当日。
それでも開演が近づくにつれてドキドキしました。
開演前のブザーが鳴って、会場は静かな興奮で包まれていました。
そして、メンバーがステージに入ってきた瞬間。
涙が止まらなくなって、泣けて泣けてしょうがなくて、ご本人が入ってきて泣けて、歌いだして泣けて、姿なんて動いてるってことしか分からないのに、泣いて泣いて泣いているうちに一曲が終わりました。
その後も何度も泣いて、泣いて、泣きました。
中学生の頃に擦り切れる程聞いた歌。大学時代に口ずさんだ歌。幼い頃聞いて、何も知らずに好きな声だと思っていた歌。つい最近洗濯物を干しながら聞いた歌。
CDと違わぬ声、ホールに響き渡る声、初めて聞く足音、マイクに触れる音。楽器の反射、衣装の反射。
神様が、私の神様が、私の見えるところで歌って動いていました。
たぶん、あの人も息をしていました。
それでも、やっぱり神様でした。
終わって、トイレに行ったら、化粧がボロボロでした。
眼鏡を外してみたら、レンズには涙の跡と飛び散ったアイシャドウ。ひっどい顔。
人間の体ってすごいもので、私は近視で乱視がひどいのですが、コンサートの後半には手の動きが分かるようになっていました。初めは、すべてが二重に見えたのに。
集中して集中して、本当にあっという間の時間でした。
「今の、今の今だけ考えることにしました」という言葉がありました。明日のことは誰にも分からない、一秒先に何が起こるかも分からない。だから、今の、今の今だけ考えることにしました。って。
アンコールの最後が、「地上の星」だったんです。
すごいなって思いました。まだ、この人は、生きて歌ってくれるつもりなんだなって思いました。
それから、こんなところでこんなことで躓いている場合じゃないよって言われた気がしました。
私は、頑張らないといけない。
もう、コンサートに行けることはないと思います。
それは距離的にも、きっと。
それでも、一生忘れることのできない時間でした。