相変わらず、「彼」が面白いです。話せば話すほど、知れば知るほど、可愛くて可愛くてたまりません。
毎日のメイクの出来を気にしている自分のことも、恥ずかしくて面白くて。
会話の中で「俺」と口にするのをもう2回も聞いて、普段「自分」と言っているのは余所行きの一人称だったんだなと気付きました。
雑談をしてくれるようになりました。以前よりもはるかに親しげになった視線を寄越してくれるようになりました。苦手なことを頼るようになってくれました。
冗談を言うようになりました。私をいじるようになりました。
距離が明らかに近くなりました。一昨日は小指が2回触れたし、話す時にお互い割と近くに寄るようになりました。
はっきりとお礼を言ってくれるようになりました。この間は、初めて朝の挨拶をしてくれたんです。ただし、挨拶の方は声がまだ小さくてはっきりしません。
私の方も、彼と接する時にどんどんタメ語の比率が増えてきています。
「全くこの子は〜!」と言ったら彼は笑っていたし、「このドSめ」と言っても可笑しそうにしていました。
なんだかんだ距離は縮んでいて、それが彼にも仕事に来る楽しみの一つになっていたら良いなと思っています。
最近彼が愚痴を溢してくれるようになりました、人見知りだったんですねとK次長に言ったら、この人がどこまで言っていいか距離感を計るのに時間が掛かるんだよ、知らなかった?と言われました。
距離感を……時間が掛かる…………?当たって砕けろ精神で生きている私にはよく分かりませんが、何にしろ、隣で喋りまくっている我々に慣れるのに2ヶ月以上掛かるのは確かにすごい。
いろいろな人がいるんだなぁと改めて思いました、なんて小学生の感想みたい。
彼は、S課長に贔屓されています。明らかにされています。誰がどう見たって気付くほどです。
課長に対して、彼がどう思っているのか分かりません。
けれど彼は、課長がいる時にはあまり喋らないのです。私はそれを、同じくチームのKさんと密かに笑っています。
休みを取る理由を聞いてきたり機嫌に乱高下があったり、自分にだけ執拗に絡みたがる課長のことを、なんとなく彼はあまり好きでないような気がします。
今の仕事が終わったら、S課長は打ち上げをしたがるでしょうか。彼は、参加するのでしょうか。
お酒に酔う彼を、見てみたいと感じる最近の私です。