ちゅるゆーかの頭の中を晒すブログ

ちゅるゆーかの頭の中

出会わなければよかった人などないと笑います。

派遣さん

派遣社員という働き方は怖いなって思います。

私たち社員との間に横たわる溝。どんなに優秀でも変わらない時給。支給のないボーナス。所詮使い捨てと侮られる扱い。派遣社員にだけ適用されないリモートワーク。

言葉にはしなくても、『社員ではないんだから』という扱いが感じられるたびに、私まで心にダメージを受けます。

 

 

 

入社したての時、長い社歴の派遣さんよりも大きなことを任されました。びっくりして、悲しくもなりました。

今の事業所では、派遣社員は誰でも出来るルーティンワークを主に任されています。

社歴や人生経験やスキルに関係なく、一律に見られて3年経ったら更新もない。傍から見ていて虚しくなることがあります。

けれど、分かってもいます。それを望む人たちもいると。責任も残業も負いたくなくて、簡単に仕事も変えたいという人にとっては最適だろうと思います。同じだけ、好きで派遣社員でいる訳ではない人がいることも知っています。

ただ、私には理解が及ばないだけで、人にはそれぞれ事情があって、選んだものと選ばなくてはいけないものがあるという、それだけの話なのだと思います。

 

 

 

それでも。

「残って欲しい人にはそれなりの目は掛けてます。」

K次長の言葉は、私にはきつかった。

どうでもいい人は切り捨てという意味で、心根が同じ私には言葉の意味が髄まで理解出来て、何よりもあの人は、容赦なく切り捨てたり裏切ったりが出来る人です。

管理職というのは辛いなと思います。だからこそ、強さと厳しさを持たなければ、やっていけないのだろうと理解はしているのに、悲しかったんです。

もっときつかったのは、

「派遣は正直『モノ』だと思ってる」

というS課長の言葉でした。

思わず遠い目をしてしまいました。そんな人を上司と仰がないといけない自分が嫌でした。

裏切られたことがあっても傷付けられたことがあっても、それだけはしてはいけないと私は思うんです。

 

 

空っぽになったロッカー。社員証を受け取って、私だけが社内に戻ること。ストラップにハサミを入れる感触。IDカードの返却手続き。

去っていった人たちを思い出すと、何とも言えない気持ちが滲み出ます。

 

 

入社したばかりのOさんも、半年でうちを去っていくようにとK次長が手配しました。

自分で考えて工夫して、なんていうことは派遣社員には求められていないから。社員の指示に従って、決められたルーティンワークを確実に速くこなすことが求められるから。

社員だったら重宝されることが、派遣社員というだけで大きく変わります。自我が必要とされない。それが立場というものの本質なのかもしれないと思うたび、心の中心がゾッと冷えるような気になります。

 

 

 

安定した立場や安心が欲しい。自由に会社の中で過ごしたい。

私は社員である幸福に沈まっているから、立場はどうしても変えようがないから、派遣さんの気持ちはきっと理解できない。理解しようと試みても、冷たくあしらわれればそれで終わり。

社員だからって偉いわけでもない。私はそう信じているけれど、拒絶が辛い時もあります。

立場は、どうすれば乗り越えられるのでしょうか。乗り越えられるものではなくて、それごと抱えていかなくてはならないのでしょうか。

私にはまだ、分かりません。