書くことが大事だと痛感しました。
状況の整理、気持ちの整理、記録。
K次長が言われたという内容から考えると、Oさんは、部署を移った火曜日(つまり7月4日)、その昼休みに聞いた不満や愚痴を、2時間後にそのまま訴えたみたいです。
「他の派遣の人は言えないから、代表して言います」と。
内心、皆ドキドキしていたことでしょう。
お昼に漏らすような不満や愚痴は、あくまでもその場限り。派遣先の会社に訴え出るという行動は、クビ覚悟ですることであり、そこまでではないと皆思っているものだから。
その後の事情聴取。
「スタッフさんが、社員の悪口を言っているのを聞いたことがありますか?」
の問いに対し、私の答えは「いいえ」でした。
嘘ばっかり。
私はこれからも同じ人間関係の中で生きていかなければいけない。だったら、生きやすくなるために優先するものが何なのかは明確です。それに派遣さんたちよりも、私の方が相当、社員の悪口は言っていますし。
けれどK次長にはバレていたでしょう。虚偽の報告―私がスタッフさんを庇っていると分かっていたと思います。
ただし、K次長は、誰が何を言っているかなんて私が言わなくてもお見通しのはずです。
彼女は、自分で判断したかったのです。
仕事が出来ると言われたかったのです。
指示に従うだけなんて嫌だったのです。
知っていました。ただ、立場や理解や習熟度から、仕方がなかったとも言えるのです。
私とMさんに何度も同じことを聞いていたし、やらないでと言ったことを何度もやるし、報告せずに暴走してしまうし。
全体が見えていないのに、その状態で判断を任せるなんて、とても出来なかったのです。
「ちゅるさんがMくんやKさんに優しいのが気に食わなかったんだよ」
と言われました。
Oさんにも優しくしていたつもりなんですけど……。
「自分は注意を受けるばかりだったからじゃない」
とのこと。彼女にも話を振ったりしていたつもりだったけれど、きっとそういうことでもないのでしょう。
S課長にそう言われました、と漏らすと、K次長は同意した上で「ちゅるさんみたいになりたかったんだよ」と重ねて言いました。
派遣さんや上司と良い関係を築くために、私がどれだけ心を砕いているか。彼女は考えたこともないのでしょうか。ただちゃらんぽらんにお喋りに生きていれば、そして社員という立場があれば、私のように過ごせると思ったのでしょうか。
私が一人でお昼ご飯を食べているのも、可哀想なんだそうです。
ほっといてくれ。
誰かと食べたい時には食べているし、なんだかんだ上手くはやれているつもりです。
勝手に慮って勝手に可哀想がるのは、迷惑なだけです。
Kさんだけに、私が甘えるのが気に食わなかったのでしょう。
自分よりパソコンも使えなくて仕事も出来ないのに、私が抜群の信頼をしているのは不愉快なんだろうと予想はしていました。人間は、人柄だと私は思っているので、彼女とは分かりあえなさそうです。
Mさんと、私が仲が良いのが気に食わなかったのでしょう。
若くて仕事が出来るけれどぶっきらぼうな彼は、私には気安く冗談を言って笑ったりするから。「Mさんはちゅるさんによく懐いてますねぇ」と、考えれば何回も言われていました。年からして息子のように見ているのだろうと勝手に考えていましたが、違ったのかもしれません。
彼女の言っていることは、正直正しいことも多かったんです。S課長の言い方はとってもきついし、私は愚痴ばかり言っているし、指示は曖昧でした。反省すべき点はたくさんあって、自身のいたらなさを喉元に突き付けられたような気持ちです。
忙しい時にすごく助けてもらったから、感謝していて、嫌いではありません。
けれど、言わなくても良い悪口―決して正しくはない陰口を伝えてK次長を傷つけたことは許せない。派遣社員と私の距離を広げたことも許せない。その2点に関しては、許せない。
それ以外は、未だに嫌いになれなくて、あの人の可愛い笑顔を思い出してしまうのです。
結局彼女は、7月4日に帰って以降は出社することなく、7月6日付で辞めることになりました。IDカードの処理は私がしました。
私物を取りに来ることは弊社側が許さず、派遣会社の若い営業さんが来訪されました。辞めたことは、朝礼で皆に一言伝えられました。
イレギュラーなパターンであって欲しい。
もう二度と、お会いする機会はないでしょう。
たくさんの学びをありがとうございました。