ちゅるゆーかの頭の中を晒すブログ

ちゅるゆーかの頭の中

出会わなければよかった人などないと笑います。

天気が良い日@A先生

朝起きて、天気が良くて嬉しくて、模様替えをした活動的な一日でした。
模様替えしたあと、やっぱり気に入らなくてほとんど元に戻しました。
満足して、買い物に出掛けました。
子どもが遊んでいて、光が溢れていて、気温もちょうど良い日。ふと、死んだ人のことを思い出してしまうのは、そんな死の連想からは遠い明るい日に限ってなのはどうしてなのでしょうか。



A先生は、高校の教頭先生でした。
痩せていて、ヒゲが濃くて、眼鏡を掛けていました。暗くて近寄りがたい感じの、そんな先生でした。
なぜA先生に大学へ提出する書類を見てもらうことになったのか、よく覚えていないのですが、おそらく国公立大学を志望する生徒がそもそも少なく、その中でも私は一風変わった入試を受けることになっていたのでそのフォローのためだったと思います。
なんにせよ私は、担任に言われてはてなマークを浮かべながらも職員室へ向かい、話をしました。



意外なことに、A先生は暗い先生ではありませんでした。
話してみると割と気さくで、明るくはないけれど快活とは言える先生でした。
書類を大学に提出するまで、何度も通いました。
「ちゅるさんと話していると、アイディアがどんどん湧いてくる」
電気もつけていない空き教室の隅で、目をキラキラさせて話していたのを覚えています。
先生の目には、私は優秀な学生だったのでしょうか。



入試が終わったあとには、その大学のあるところのご当地キャラが描いてあるぷっちょと付箋を買って帰り渡しました。
喜んで、いてくれたでしょうか。



私が志望した大学に通い出した後、A先生は転勤になったと知りました。
連絡先を聞いておけば良かったと思いました。

その3年後だったでしょうか、妹が大学で出会った友達から、高校の卒業式の直前に校長先生が倒れて亡くなったと聞いたのです。A先生でした。



もしも、人の記憶に残っている限りは本当に死んだことにはならないというのを正しいとすれば、A先生はあと60年近くは生き続けられることになります。
尊敬できる人でした。あの頃は気付いていなかったけれど、尊敬していました。
A先生は、今の私を、良くやったと褒めてくれるでしょうか。喜んでくれるでしょうか。



A先生、世界はこんなことになっていて、私は平凡な社会人になっていて、でも何とか毎日を生きています。
一緒にお酒でも飲んでみたかったと、今になって思います。
あの頃、あの古い校舎で向き合ってくれてありがとうございました。私も楽しかったです。