人間関係って難しいなと思います。
生きてきた時代も場所も立場も性別も違うところしかないのになぜか気が合う参与のような人もいれば、同じ年齢で同じ地域の学校に通っていても一生仲良くもなれないような人だって腐るほどいました。
育ち方も遺伝子すらほとんど同じなのになんだか合わなくなってきた妹もいれば、見てきたこともやっていることも全く違うのに性格が似ていて打てば響くような遣り取りを出来る人もいます。
性格や考えていることが全く同じだからこそ、逆に何か違うと感じてしまって合わない人もいます。
とても不思議だと思います。
私が好きなのは、人間らしい人です。
短所があって、そういうところが愛しいと思える人が好きです。
完璧な人はいないとは分かっていますが、弱みを見せないような人はつまんなくて、好きになれません。
完璧な人だと思っていた大学のゼミの先生は、尊敬はしていましたが好きになれませんでした。家族の時間を大切にして、バリバリ研究して結果も出して、生徒には優しくて。
けれど、同じ大学の先生の悪口を言っているのを聞いて、この人も人間なんだなと思って好きになることが出来ました。
人間関係について考えるようになったのは、Aさんとの仲がなんとなく上手くいかなくなったからです。
同じ職場にいたAさん。大好きでした。優しくて可愛くてほんわかしていて、本当に本当に良い人で。
あんなにあんなに、大好きで、10時間もお喋りしてまだ足りなかったのに。
日程を連絡すると言われてずっと放置されていて、忘れているんだなと思って寂しくて、それでも会いたいと思っていたのに。
それなのにふいに、なんだか会いたくないと思ってしまったのです。嘘をついて予定をキャンセルして、ほっとしてしまったのです。
誰も悪くない、だから哀しいです。どうしたら良いのか分からなくて途方に暮れる、子どものようです。
慣れることがあるのでしょうか。諦めでなく。
職場のIさんとWさんは、Wさんの方が先輩です。
仕事の出来るWさんはいつもIさんを助けていて、Wさんは文句を言いながらも弟分として可愛がっている、ように見えます。
が、実は二人の人間関係で強いと言うかリードしているのはIさんの方です。
Iさんが帰ろうとすると慌てて帰る準備をするのはWさんの方。面白いことがあると話しかけに行くのはWさんの方。精神的に、本当に頼っているのはWさんの方。
気付いた時、なんて面白いんだろうと思いました。強いようで強くない、弱いようで弱くない、頼っているようで頼られている、頼りないようで背負っている。
この事実にきっと二人とも気付いていません。不思議で、面白いなと飽きずに毎日思います。
海外を旅していて気付いたのは、何十人かに一人、言葉が分からないのに話が通じる人がいることです。
おそらくそれを本当のコミュニケーション能力というのでしょう。言語が出来るとか関係なく言っていることが分かり、その人にも私が言っていることが通じているらしい、そんな人がいるのです。
私の言いたいことは伝わっているでしょうか。そんな不思議な人がいること。
けれど、多くはないですが少なくはないのです。きっとこれを読んでいる人の中にもいるのではないでしょうか。コミュ力なんていう薄っぺらいものではなく、言語や人種を超えて通じ合う何か。
そして、ここまで書いて気付いたのですが、私はそういう人と気が合っているのではないかと思います。
何故か気が合う人は、どうやらそういう人のようです。あの人も、この人も、考えてみれば。
私の心の磁石は、そういう人にひかれるようです。
人間って奥が深くて、だから無限の可能性が生まれてしまう関係性は、私には難しいです。
それでも、人が短所を持つ限り、きっと私は人間を嫌いにはなれないと思います。
死ぬまで模索することになると分かってはいても、人間関係を上手になりたいと願わずにいられません。