ちゅるゆーかの頭の中を晒すブログ

ちゅるゆーかの頭の中

出会わなければよかった人などないと笑います。

ソビエトの昔話

小学校の図書室に、世界の昔話のシリーズ本がありました。
お気に入りで、世界各地のお話を読んでいました。
そこで憶えた問いかけとその答えがあって、でも最後の一つが思い出せなくて、気持ち悪かったのです。
15年以上経っても気になっていて、今住んでいるところの図書館で検索してみたらたぶんこのシリーズだろうというものに行き着いたので、ひとまず探してみようと読み始めました。シリーズは20まで図書館にあって、その先だったらどうしようと考えながら、読み進めました。20までは読み切ったので、今の私はインドネシアボリビアアメリカもカナダもパプアニューギニアも昔話を知っています。
字が大きくて重い本なので、通勤時間に読むのには多少難儀しましたが、年末、ついに行き当たりました。


タイトルは『世界のむかし話⑲ソビエトのむかし話―イワンのでたらめ話/ほか』(田中泰子編訳)。偕成社で1991年発行。
なんと私が生まれる前の発行ですが、けれど昔話というものは古すぎるからこそいつまでたっても古びないものです。

本題の、問いはこうです。

「この世でいちばんつよくて、はやいものはなにか?いちばん肥えたものはなにか?いちばんやわらかいものはなにか?いちばんたいせつなものはなにか?」


兄弟が口論をし、とうとう皇帝に裁いて貰うことになりました。そこで皇帝は、この四つの謎を出したのです。

頭をかかえる弟に、七つになる娘は言いました。

「いちばんつよくてはやいものは風。いちばん肥えたものは大地。だって、大地にはえている木も草も、そこでくらしてる動物も、みな大地がやしなってるのだもの。いちばんやわらかいものは人間の手よ。だって、人はなんの上にねても、頭の下にはかならず手をおくでしょう?そして、眠りよりたいせつなものはありませんってね。」


もう忘れないと思います。
世界の誰もが忘れても、ソビエトの賢い娘の昔話は私が守ります。
小さかった私から、今の私へ確かに届いたメッセージです。


この世で、一番強くて速いものは風。一番肥えたものは大地。一番柔らかいものは人間の手。一番大切なものは眠り。