ちゅるゆーかの頭の中を晒すブログ

ちゅるゆーかの頭の中

出会わなければよかった人などないと笑います。

旅のはじめ

生まれてきたのが遅すぎた、と思うことが時々ある。


好きな音楽は生まれる前の音楽が多くて、友人の多くが聞いている音楽なんて薄っぺらいと感じてしまう。
ファーストフードが美味しいと思う舌は幸か不幸か持っていない。
ショッピングモールより市場に行くほうが好きだ。
子どもの頃だって流行りのケータイ小説よりも黄ばんだ文庫本が読みたかったし、制服は短いスカートより長いスカートの方が断然格好いいと考えていた。


フィリピンに来て、イメージと同じ部分も違う部分もある。
ただ一つだけ言えるのは、日本人の大部分が持っているイメージよりもフィリピンは発展しているということだ。
確かに、交通手段はあまり綺麗でないバイクやバスやトライシケル(バイクタクシー)。けれどその中で皆スマートフォンをいじっている。
確かに、バナナは市場に山になって売られている。けれど、子どもたちが食べたがるのはファーストフードだ。



そして、それはたぶん、フィリピンだけではないのだろうと私は旅の初めから予想がついてしまっている。


アジアは、発展していってしまう。
私の行くあてもなくなってしまう。
iPadで遊ぶ人たちに出会いたいのだったら、もうそれこそ日本で間に合ってるのだ。
マクドナルドに行きたいとねだる子どもには、日本で飽き飽きしているのだ。


一昔前の本に記されているアジアに行ってみたかったのに、辿り着いた場所は既に私を置いて行ってしまっていた。


日本人の私の勝手な欲望だ。分かっている。
日本が息苦しくてアジアに助けを求めている、私の勝手な押し付け。
便利な暮らしをしたい、楽に暮らしたいというのはきっと人類に共通した欲だから、日本のように、否日本を超えてアジアの各国は発展していくのだ。


そして、私の行くあては過去になる。