ちゅるゆーかの頭の中を晒すブログ

ちゅるゆーかの頭の中

出会わなければよかった人などないと笑います。

愛しい日々よ

がらんとした、荷物のない部屋を見たらいまさらに泣きたくなるくらい寂しくなりました。
荷物は全てゆうパックで送ってあります。
トランク1つとバッグを1つ、私は東京へ向かいます。



6年、それが私の大学生であった期間です。休学を挟んで4年、住んでいた土地が私は大好きでした。

出会いも別れも、辛いことも楽しいことも、この水のきれいな土地で経験しました。寂しいってことはそれだけ私はここを愛していたってことで、だから私は寂しいってことが嬉しくもあるんです。



新生活を送ることになる東京での日々は、不安よりもむしろやっと仕事が出来るという楽しみがあります。
希望通り決まった部屋、そしてそこから電車で一本の職場。

やっと探し当てたこの人だと言える人の待つその場所に、辿り着きたい。希望を全て叶えたようなその場所が吉と出るか凶と出るかは分からないけれど、その場所で頑張ってみたいと心から思っているんです。



それでも、それでも。


あの古い部屋。壁が薄くて、音の筒抜けの寒い部屋。けれど家賃が激安なのと大家さんは土地柄通り優しい人なのが魅力的で。

そのすぐ裏側にあった学生御用達のパン屋。その横を通る時のカレーパンの匂い。

卒論を書いている時に毎日チョコのかかったパンを買いに行ったセブンイレブン。時々無性に行きたくなったバス停のすぐ横のうどん屋。ちょっと高い文房具屋。日赤病院。皆で行ったスシロー。


遠くなるほどにより鮮明に私の中で思い出を形作る場所が、未来を待ちわびる気持ちとはまた別物として、主張をしてくるのです。



好きでした。水のきれいな土地。その土地の優しい人々。
好きでした。好きな土地で、自分のまま笑っていられること。

私は私だけの思い出を抱えて、私だけの未来へ向かいます。

待ってて東京。

あなたも私だけの土地にしてあげる。あなたを私の居場所にしてみせる。
今はまだ住み慣れた土地が恋しくてたまらないけれど、きっといつか、東京だって好きだと言えるようになる。

待ってて東京。さよなら愛しい土地、大好きな人々、またいつか。



飛行機が高度を下げて、私の涙はきっとそのせいで。
思い出を思い出にするために、私はどこでだって生きる。