中島みゆきさんの数多ある歌詞の中から、過去の私が衝撃を受けたものをピックアップします。
『がんばってから死にたいな』
〜「重き荷を負いて」より
この歌詞はすごい、本当にすごい。
頑張ってから死にたいけど。そうだけど。そういうの言っちゃってもいいんだ……と当時中学生だった私は衝撃を受けました。
死にたい、というのが何か衝撃で。遠回しでないから、直球で迫ってくるんですよね。
この歌詞のリフレインは強い、衝撃が。
中島みゆきさんの曲の中でも屈指の、人生の応援歌。
『重き荷は重く 坂道は果てもなく続くようだ』の歌詞は、中島みゆきファンなら一度は熱唱したことがあるはず。
『あのこをたとえば殺しても あなたは私を愛さない』
〜「あの娘」より
この歌詞だけ切り取るとおどろおどろしい曲なんじゃないかって思われそうですけど、違うんです。
すごいポップな曲調、軽快なテンポ、それが明るい声で歌われている歌なんです。
だからこの部分も明るく歌われているんです。
……だからこそ、当たり前となっている現実への絶望が伝わってきます。
『エレーン 生きていてもいいですかと誰も問いたい
エレーン その答を誰もが知っているから誰も問えない』
〜「エレーン」より
……解説要らないですよね?
この曲は、暗いです。そのうえ悲壮な声で歌われると、聞くたびに泣きそうになります。
実話をもとに作られたと知った時はショックでした。この曲は中島みゆきの曲の中で、「異国」の次に暗いと思います。
この曲が入っているアルバム、「生きていてもいいですか」っていうタイトルなんです。
しかも1曲目が、かの有名な「うらみ・ます」。で、最後から2番目がこの「エレーン」、そして最後「異国」。
哀しい。「エレーン」と「異国」を続けて聞くと本当に哀しい。
でもそれでも聴きたくなる、魔力を持って迫ってくる曲です。
『二人だけこの世に残し 死に絶えてしまえばいい』
〜「この世に二人だけ」より
こういう想像、したことあります。だからこの歌詞を聴いた時、皆考えているのかと思った記憶があります。
この曲は、とても優しいんです、メロディーも歌われている声も。
だからこそこの歌詞にリアリティーがありますし、『それでもあなたは私を選ばない』現実が夕暮れの木枯らしのように冷たく迫ってきます。
『後姿のあの人に幸せになれなんて祈れない』
〜「ほうせんか」より
好きすぎて、好きな人がいつか自分のもとに帰ってきて欲しいと願う歌詞。
これも中学生の私が言ってもいいんだ、と衝撃を受けた歌詞です。
リアリティーがすごすぎて、中学生の私には受け止めきれませんでした。
『ひとの不幸を祈るようにだけは
なりたくないと願ってきたが
今夜 おまえのしあわせぶりが
風に追われる私の胸に痛すぎる』
〜「怜子」より
この歌詞は、私は心が痛くなるんです。
ひとの不幸を祈ってはいけないし、祈りたくないのだけれど、そうしてしまうほどの辛い思いをしていて……と考えると辛くなってきて。
人は温かな部分だけではなくて、冷たい部分も温かくしたいのにできない部分もあって。それでも、それでも他人には親切に生きたいと心に決めていて、それなのにあまりにも風が冷たすぎることはあると思うんです。
ずっと書きたかったんです。残せて良かった。
これからも、衝撃的な歌詞にたくさん出会えますように。