ちゅるゆーかの頭の中を晒すブログ

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出会わなければよかった人などないと笑います。

南半球の妹

「南半球では、月が逆なんだよ」
という私の言葉に、
「は?意味が分かんない。昼間に月が上るってこと?」
と盛大にボケた返事をしたのは私の妹です。
その妹の話をしたいと思います。



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最近分かったのですが、彼女の中には様々なマイルールが存在しているようなのです。

例えば、洗濯物を干している時に手伝われることが嫌いだと彼女は言っていました。洗濯物には干す順番があるから、らしいのです。
父のパジャマから母の下着、私の靴下に至るまできっちりとその順番は決まっていて、それを乱されたくないから、洗濯物は自分一人で干したい。そう彼女は言いました。



その他にも、色々なことに順番や決まりが存在するのだそうです。
お風呂で湯船に浸かる時に足を向ける方向は一日ごとに左右交互。玄関から中に入る時は左足から。玄関から外に出る時は左足から。
驚く私と母親に、
「皆そんなに縛られずに生きてるんだねぇ」
と彼女は感心していました。

私たちが縛られていないとすれば、彼女は何に縛られているのでしょうか。



私が意味が分からなかったのは、電柱やコーンなどの背の高い人工物が道にある場合、その延長線上は跨いではいけないというルール。さらにその延長線上を跨ぐ足は左右交互であること。
「そこに影がある場合もまた難しいんだよね」
と言っていたのには深く突っ込みませんでした。



私でない他人に心というものが存在することを、時々思い返して不思議な気持ちになることがあります。

自分の中でどんなに厳格なルールを持っていても周りには知られていない妹のように、知られたところで理解し難いことだと思われる妹のように、誰もが他人が踏み込めない領域を持っているということ。それが私には見えもしなければ気配も感じられないことに、時々寒いような気持ちになることがあります。

それは血が繋がっていても同じことで、私は妹が死ぬほど悩んでいても、それを言葉や態度に出されなければ、何にも分かりません。
他人と関わるのが難しいなぁと思うのはそんな時です。そしてそれは、南半球のことを想像するよりも難しく感じます。



「南半球は、北風じゃなくて南風が冷たいんだよ。南極が近いからね」
という父親の言葉に
「なるほど〜それは一番納得できる」
と、笑い転げる私をよそに一人頷いていた、妹の話でした。