ちゅるゆーかの頭の中を晒すブログ

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出会わなければよかった人などないと笑います。

もしもしの会話

また、熊本へ電話を掛ける。


待ちうた地震前と同じなだけで泣けてくるのに、それでも、また次の人へ電話を掛ける。

『もしもし』

憔悴しきった声がまた聞こえる。
私は、名を名乗る。
一瞬ののち、理解した相手の声が少しだけ明るくなる。それで、また泣きそうになる。


「無事ですか?怪我ないですか?」
私にはそう聞くことしか出来ない。


『だご揺れたけんね。家ん中おったつたい、慌てて外出たもん』
今、彼女は車の中で生活している。家にはひびが入ったらしい。
『大事なものは、まとめとったがいいよ』


『なん泣きよっとよ』
その笑い声にまた泣ける。そういう彼は、家を失った。
『命はあるけん、大丈夫よ』


『なんさん、怖いとよ』
その繰り返しに、涙が次々に流れる。いつもキリッとした、力強い女の人だった。
『避難所、人が溢れとるつたい。足も伸ばせんと』


『水って大事だったんね』
近くの大学に避難した友達は言う。一家族に、一つのおにぎりしか配られなかったらしい。
『今いるとこは、指定の避難所じゃないつたい。支援物資があんまり来んつたいね』


震度6強ってマジやばいけん』
うちのタンス、おかんが支えよったと友達は言う。食べ物確保するために走り回っていると笑う。
バイト先でね、食べ物貰えるもん。めっちゃ助かっとるよ』


だんだん、次の電話番号を探すことが出来ないくらい嗚咽が酷くなっていく。
でも、電話の向こうの人はほとんど泣かない。安全な場所にいるから泣けるんだと思うと、それも辛くて、やっぱり泣けてくる。

テレビには、見知った場所も映る。私はそれだけでも泣ける。いつから、私は泣き虫になったのだろう。

泣くのは、私じゃない。でも、もう少しだけ泣かせて欲しい。

「頑張らなくていいから、無事でいてください」